親の写真、どうしますか?

親の家の片付けをしていて困るのが、思い出の品や写真の整理。
特に写真は、親のものとはいえ整理がしづらく、処分に困る人も多いそうです。
そんなご家庭を数多く見てきた片付けのプロ、中川智子先生は「親の写真は、親の存命中に親と一緒に写真を整理する」ことを勧めています。

面倒に思えても親と一緒にすることでスムーズに整理が進み、それ以上の「いいこと」が見つかるからだそうです。

 

写真でしか知れない親の人生

写真の整理をする時はこちらの方法を参考にしてください。
→ 写真を整理して思い出を守る。片付けのプロが教える写真とアルバムの整理の仕方

写真の量が多くて一度でできない場合は数回に分けて行いましょう。

写真の整理をする中川先生と中川先生の叔母

この時に大切なのが、写真の選別の判断をできるだけ本人に任せること。
他の人の物を片付ける時のルールに「持ち主本人の判断を尊重する」というものがあります。写真も同じです。

健康状態によっては一人で作業をしたり、判断することが難しい時もあります。
写真を見た時の表情や話しぶり、言葉がなくても見入っていたりする場合は残す写真と判断しましょう。

 

「マイベストショットアルバム」を作ろう

高齢者の中には写真を手放すことに罪悪感を覚える人も多いです。

そんな時は写真の整理の目的を「整理して手放す」から、好きな写真を集めた「『マイベストショットアルバム』を作る」に変更して行いましょう。

アルバムに残すための写真を選ぶことで、残さない写真と区別します。
この時にアルバムに入れないと決めた写真は手放す写真の候補としましょう。

 

「マイベストショットアルバム」には子どもの成長記録を残しても。

「マイベストショットアルバム」は「輝いている自分の写真」だけを集めた人生のダイジェスト版の写真集です。

作り方はこちらをご覧ください。
→ 写真を整理して思い出を守る。片付けのプロが教える写真とアルバムの整理の仕方

作業が難しい時は話をしながら代理で作るのも楽しいそう。

「写真には人を元気にさせる効果があります」と中川先生。
人生を1冊の小さなアルバムにまとめることで持ち運びが簡単になり、家族や友人と集る場所にも持っていけます。
会話も弾み、楽しい時間を過ごすきっかけになりますよ。

 

もう一度、家族と話をしよう

思い出話が盛り上がり、ついつい時間を忘れてしまうことも

中川先生がお母様と「ベストショットアルバム」を作った時に、一緒に写真の整理をすることは物を整理する以上の価値があると気づいたと言います。

「写真を1枚ずつ見ながらその時の様子や思いを聞いていくと、私の知らない話がたくさんありました」

中でも成人式の着物姿の写真には特別な話が聞けたとか。

中川先生のお母様のアルバム

「母が育った頃は写真は裕福な家庭が写真館で撮る時代でした。
あまり余裕がない家庭で育った母は、妹弟が高校へ進めるように、親の反対を押し切り自分の意思で、尋常小学校卒業後すぐに奉公に出ました。
成人式の着物はそんな娘を不憫に思った親からのプレゼントだったそうです」

後日お母様の「マイベストショットアルバム」を家族で見ていると、叔父から新しい話が。

「成人式の日は、着物を着た姉さんを自転車の後ろに乗せて、ガタガタの道を隣町の写真屋さんまで行ったよなぁ」
姉さんには苦労させて頭が上がらんよ、と叔父さん。
お母様は「そうだったかしら」と笑い、家族で苦労話や思い出話に花が咲いたそうです。

「そこには子どもの私が知らない親の顔がありました。親もまたひとりの人間だったんですね。親の歩みを知り、あらためて客観的に見ることができた時、自然に感謝の気持ちが湧いてきました」と中川先生は振り返ります。

 

人生の最後を明るく悔いなく迎えるために

出典:Unsplash

写真やアルバムを見ながら話す中で、自然に話題に上るのは人生の最後の迎え方。
笑いながらなら、「お葬式の時に飾るならどれにする?」「これが楽しそうだからステキじゃない?」と明るく親の希望も聞き出せると良いと中川先生は言います。

実は、家族が急に亡くなられて遺影に困ったという話をよく聞くそう。
中川先生は写真がないこと以上に、親の生前のストーリーを聞く機会が失われてしまったことを残念に思うそう。
だからこそ「親の時間が十分あるうちに、ぜひ一緒に写真を整理してください」と強く勧めます。

家族が元気なうちに、楽しみながら人生を振り返り、望む人生の最後の迎え方を知っておくのも悪くないのではないでしょうか。