除菌をプラスした掃除が求められている

お掃除のプロ大津たまみ先生によると、ここ数年清掃業の現場では「除菌」が大きなキーワードになっているのだそうです。
これからは従来の清掃に雑菌やウイルス対策の「除菌」を加えた「除菌清掃」が主流になっていくのでは、と考える大津先生。

今回は大津先生流の「除菌清掃」、除菌と掃除の方法を教わります。

 

除菌清掃にはなにを使う?

大津先生が除菌清掃に使うのは次のふたつです。

 エタノール(エタノール濃度が70%以上のもの) 

 キッチンペーパー

大津先生は除菌にはエタノールを推奨しています。
除菌の効果だけではなく、エタノールは揮発するために掃除後に残りにくく、使用後の水拭きや乾拭きが必要ないので掃除がラクだからです。

ただし、使用上の注意として

・火の近くで使わない

・使用時には換気をする

・空間に噴霧しない

・食べ物には吹きつけない

という点があります。

使う前には目立たないところで試して掃除場所の変質や色落ちがないかをチェックし、保管するときは直射日光を避けましょう。

少量をガラスのスプレーボトルに入れて使うと便利です。

※エタノールはすべての細菌やウイルスの除去に効果があるわけではありません。
特定の細菌やウイルスの対策には厚生労働省やNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)等のHPで適切な除菌剤をご確認の上、お使いください。

 

除菌のための掃除方法を教えて

除菌清掃の基本は拭き掃除です。
まずは通常の掃除をしっかり行って汚れを落とし、その仕上げとして除菌をします。

「汚れが残っている状態では雑菌を取り除きにくくなります。しっかり除菌をするためにも、最初の拭き掃除は丁寧に行ってください」と大津先生。

その後、折りたたんだキッチンペーパーにエタノールを吹きつけ、除菌したい場所を拭きます。

 

拭き方がポイント!

除菌清掃で大切なのは拭き方です。
「除菌清掃は拭き方を間違えると雑菌を拡散してしまう可能性があります」と大津先生。

ポイントはこのように一定方向に拭くこと。

下図のようにジグザクに拭いたり往復させたりすると、拭き残しが生じたり、拭き取り切れなかった雑菌を塗り広げることになってしまいます。

テーブルのように広い面の除菌は、エタノールを直接テーブルに吹きつけ、しばらく待ってから一定方向に拭きます。

面が広すぎて一度で拭ききれない場合は、下図のように、拭き始めを少し重ねながら、同じ方向に拭くとよいでしょう。

 

 

除菌を行うべき場所とは

除菌清掃では「人の手が触れる場所」を重点的に行いましょう。

 

玄関で気をつけたい場所

雑菌は人に付着して玄関から室内に入ってくる可能性が高いので、玄関の除菌清掃は欠かせません。

まず気をつけたいのが玄関の外側のドアノブです。
仮に手に雑菌がついて帰宅した場合、最初に触れるのがこの外側のノブです。
ノブに雑菌が付着していると、後から帰宅してこのノブを握った家族の手にも付着し、室内に入ってきてしまいます。

ノブの除菌は上側だけでなく、下までしっかり握りこんで拭きましょう。

扉の内側のノブや鍵も雑菌がついたままの手で触れがちです。

靴の出し入れをする際に触れる靴箱の取っ手、手を置きやすい靴箱の上や手すり等も拭きましょう。

 

リビング・ダイニングで気をつけたい場所

家族が集まる空間は他の家族に雑菌が移りやすい場所でもあります。

ダイニングテーブルはフチをつかむことも多いので、天板だけでなくフチや裏までしっかり拭きます。

椅子の背や側面、シートの横なども日常生活ではよく触れる場所です。
握りこむようにしてしっかり拭きましょう。

一日に何度も触れる電気のスイッチプレートも忘れずに拭きましょう。

 

キッチンで気をつけたい場所

キッチンで家族が触れることが多いのが冷蔵庫です。
特に引き出しの部分は握りこんで開けることが多いので、雑菌も奥まで入り込みます。
奥までしっかり拭きましょう。

エタノールは揮発するので、口に入れるものが多いキッチンの除菌清掃に向いています。

また、口に入るという点では、子どものおもちゃも揮発するエタノールを使った拭き掃除がお勧めです。

そのほか、家族がよく触っていると気づいた場所はこまめに除菌を行いましょう。

 

掃除のプロは手洗いも徹底

日常的に除菌清掃業務に関わる大津先生は「屋内に雑菌を持ち込まないこと」を常に意識し、手洗いを怠らないようにしています。

「私は雑菌は手から移っていくと考えています。
まず手に付着し、その手が触れた物に移ります。その物を他の人が触るとその人の手に雑菌が移り、その手で触った別の物にまた移る。これを繰り返して雑菌が広がっていきます。私はこれを『移り菌』と呼んでいますが、しっかり手洗いをすればこの流れをかなり止めることができると思います」と大津先生。

そんな大津先生が実践している手洗いのポイントを紹介します。

最初に流水で手を洗います。
この時、できるだけ手で蛇口に触らないようにして、水を出します。
その後、石けんをしっかり泡立てて両手の平と甲に広げます。

指の股、爪の間、親指の付け根のシワ、手首のシワは掃除をしていると汚れが入り込んで、しかも残りやすい部分です。
つまり、雑菌も残りやすい部分と言えます。
これらの部位を特にしっかり洗います。

蛇口に触れないようにして水を出し、石けんを洗い流します。
ペーパータオルで拭いて完了です。

 

掃除から除菌へ、除菌から抗菌へ

大津先生は掃除プラス除菌の除菌清掃を「新しい清掃様式」と呼んでいます。
生活空間の雑菌をゼロにすることは不可能でも、掃除と除菌を組み合わせることでその数を減らすことは可能と考えます。

ただ、除菌清掃ではその時付着している雑菌を取り除くことは可能ですが、除菌後に付着したものまでは除去することができません。
そのため、気になる時は日に何度も除菌清掃を繰り返す必要を感じてしまいます。終わりがありません。

そこで今大津先生が注目しているのが、除菌の先に「抗菌」を取り入れた掃除方法です。
市販の除菌剤の中でも抗菌作用のあるものを選んで、除菌の効果が少し続くようにする。
そうすれば、日々の掃除も少しラクになり、安心の材料にもなります。

掃除のプロ大津たまみ先生が考える除菌清掃、ぜひ参考にしてみてくださいね。