キッチンのストレスを解消する、小さな収納のコツ

キッチンのそのストレス、置き場所を変えたら減るかも?

キッチンで料理をしたり後片付けをしている時に、こんなことありませんか?


  • 背伸びをしたり、しゃがんだりすることが多い。
  • キッチンを離れて食材や調味料を取りに行くことがある。
  • キッチンとカウンターの反対側を何度も往復する。


実はこれ、キッチンに隠されたあなたのストレスの原因です。

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出典:写真AC

収納のプロ、日本清掃収納協会 片づけ収納マイスターの杉 千郷(すぎ ちさと)先生は言います。

「毎日使うキッチンには、無意識で行っているために気づきにくいストレスの原因がいくつもあります。それらに気づいて見直すことで暮らしにゆとりが出てきます」


ポイントは、家事を行う時の自分の動き、「家事動線」です。


ここを見直すと、動きがシンプルになって家事の時間が短縮されて時短になり、ストレスも減るそう。


「時短というと30分や1時間というような大きな固まりの時間を節約すると思いがちですが、私が考える時短は10分かかるものを8分に縮めたり、3ステップのものを1ステップにするなど小さな短縮。でもこの積み重ねがまとまった時間になり、心のゆとりになるんです」と杉先生。


一緒に家事動線を見直してみませんか?

毎日の動きを図にして確認する。

杉先生がまず勧めるのがキッチンの間取り図を描くこと。


完璧に描けなくても大丈夫です。図にして見える化することで、キッチンの中での自分の動きを客観視することができるようになります。

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モデル:掃除と収納のプロ 大津たまみ先生

間取り図を描く

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作画:杉千郷先生

一般的な家庭のキッチンを図にしました。

ここに日頃の自分がどんな動きをしているか、描き足してみましょう。

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作画:杉千郷先生

作業中の移動距離が意外に大きいことに気づきませんか?

杉先生はこのキッチンのストレスの原因を次のように指摘します。


「食品が冷蔵庫と食品棚の2ヶ所、しかもキッチンの端と端に別れています。調理中に何度も行き来することになりますし、毎日、毎回となるとその距離も結構なものです。

また、食器棚がカウンターの向こうにあります。食器を出したり片付けたりする時にぐるっと回らないといけないので、大変ではありませんか?」

置き場所を考え直す

これを改善する方法を考えましょう。

理想は家事をするときに動きが一筆書きになるように必要なものが配置されていること。



食品は食品でまとめる。


可能なら冷蔵庫の隣に食品を置く場所を作ります。難しければできるだけ近くに場所を確保します。


食器はキッチンの内側に。


食器棚ごとキッチンの中に移動できればいいのですが、難しければよく使う食器だけでもキッチンの内側の戸棚へ移しましょう。


その他、ゴミ箱が遠くて往復するのが面倒ではないか、ゴミ袋の置き場所とゴミ箱が離れていてゴミの処理がしづらくないか等もポイント。


電子レンジをダイニングテーブルから近い場所(カウンターの上等)に置いて、家族がキッチンの中まで来なくても温めができるようにしたり、リフォームをする時にダイニングテーブルとキッチンを一直線に並べて、配膳や片付けをラクにする方法もあります。

上下の動きにも注目!

横の動きだけではなく、縦(上下)の動きも重要です。

物を取ったりしまったりは1日に何度も行うので、シンプルにして家事をラクにしましょう。

まずは図を描いて見える化

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作画:杉千郷先生

まずは同じように、棚を図にします。

一般的な家庭にある、高さ180センチくらいのキッチンの棚を例にします。

どこを変えるともっと使いやすくなると思いますか?

置き場所を考え直す


杉先生は、炊飯器の位置お弁当関連グッズ缶や乾物類の置き場所に注目。


「炊飯器の位置が低いかもしれません。ご飯をよそう時に前にかがんでいませんか? 電子レンジの高さに置けば、毎日ラクによそうことができるようになりますよ。

一番下の段にあるお弁当箱や水筒は、毎日使っているならもう少し取り出しやすい高さへ移動しましょう。もう使っていないのなら、棚から出して別の場所へ移動させることも考えてみましょう。

最後に、缶詰や乾物類ですが、食品が置いてある場所にまとめると調理や整理がしやすくなります」


棚の使い方として、よく使う物を「てきぱきスペース」に置くこともポイントです。

「てきぱきスペース」は高さ75cmから135cmの間の60cmの空間のことで、人間工学的に考えた時に人が物を取り出したり目にしやすかったりする高さとのことです。

ここによく使う物を置くと、しゃがんだり背伸びしたりする回数を減らすことができます。


収納はもっと自分勝手になっていい

特にキッチンでは作り付けの収納に疑問を持たずに生活している人も多いかもしれません。


杉先生は、もっと自分中心になって「これは本当に自分が使いやすいのかな」と考えて良いんですよとアドバイス。


「片付けや収納にゴールはないんです。自分の年齢やライフスタイル、家族の変化に合わせてどんどん変えていきましょう。使いにくくないか?危険ではないか?を常に考えるようになると、改善点も見つけやすくなってきます。

自分が使いにくいな、家族が使いにくそうにしているなと気づいたら、コミュニケーションを取りながらベストの場所を探しましょう。繰り返すことで、家族みんなが心地よく、ゆとりをもって暮らせるようになりますよ」


一度キッチン全体を見直して、心のゆとりを作ってみませんか。

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出典:写真AC